「ハイブリッドバンク」という社名で検索すると、モデル・タレント事務所としての紹介、ライブ配信エージェンシーとしての紹介、あるいは求人原稿の断片など、切り口の異なる情報が並んで出てくる。中には「17LIVE専門のエージェンシー」という古い表現を引き継いだままの記事も見受けられ、現在の実態とはずれが生じている。本記事では、こうした断片的な情報を一度整理し、設立年・所在地・事業の変遷・拠点展開・実績という「会社としての事実」を軸に、メディアプロモーション ハイブリッドバンクを紹介する。
会社概要

| 会社名 | 株式会社HYBRID BANK(メディアプロモーション ハイブリッドバンク) |
|---|---|
| 代表 | 永井誠 |
| 設立 | 2007年12月10日 |
| 資本金 | 555万円 |
| 本社所在地 | 大阪市中央区南久宝寺町4-1-1 イデア御堂筋ビル7F |
| 東京支店 | 東京都港区南青山3-8-40 青山センタービル2F |
| 海外拠点 | インドネシア(バリ)/ベトナム(ホーチミン)/マレーシア |
| 公式サイト | https://hybridbank.net/ |
所在地は大阪・南久宝寺町を本社に、東京・南青山に支店を構える体制で、これに加えて海外3拠点を持つ。設立から2026年で19年目にあたり、後述するとおり事業内容は設立当初から一貫していたわけではなく、時期ごとに軸足を移しながら拡大してきた経緯がある。資本金555万円という規模は上場企業のように大きくはないが、大阪・東京の2拠点体制を保ちながら海外へ展開してきた点は、単なる地方の一事業者にとどまらない事業の広がりを示している。
タレント事務所からライブ配信エージェンシーへ――事業の変遷

出発点はモデル・タレント事務所「Talent Park」
同社はもともとモデル・タレント事務所として事業を始めた会社である。現在運営する「Talent Park」は、特定のプロダクションに所属しないフリーランスのモデル・タレント・インフルエンサーと、起用したい企業を直接つなぐマッチングサイトで、企業側は無料でタレントを検索・起用できる仕組みになっている。サイト上では「これからはフリーランスでお仕事をしていく時代」という考え方が掲げられており、専属契約に縛られない働き方が広がる潮流に合わせて、旧来の芸能事務所ビジネスをマッチングプラットフォームへ再構成した事業と位置づけられる。登録企業も継続的に募集しており、タレント側・企業側の双方を集める場として運営されている。芸能事務所として個人を抱え込む形ではなく、マッチングの場を提供する立場に回っている点は、同社が後年ライブ配信エージェンシーへ展開していく際の、個人の活動を支援するという方向性の原型とも見て取れる。
アイドルプロデュース事業「Idol Bank」
「Idol Bank」は、同社が手掛けるアイドルプラットフォームで、現在は2018年結成のグループ「All de made(オールドメイド)」が所属する。世界共通のアミューズメントカードであるトランプをモチーフに、「世界に元気と笑顔を届けたい」というコンセプトを掲げ、拠点は関西を中心に活動している。2023年1月リリースの1stシングル「pick me!!」がカナダでチャートインした実績を持ち、サイト上では「世界でも活動できるグループになる」ことを目標に、世界を視野に入れて活動できるメンバーを募集中としている。国内の一地方拠点から始まったアイドル活動が、海外展開を明確な目標として掲げている点は、後述する海外拠点の広がりとも符合する。関西を拠点としながら海外配信市場・海外チャートを意識した活動を行っている点は、同社のタレント・アイドル関連事業が国内マーケットだけに閉じていないことを示す一例でもある。
2017年、ライブ配信事業への参入
事業の転機となったのが、ライブ配信アプリ「17LIVE」が日本に上陸した2017年である。同社はここからライバー(配信者)のマネジメント事業に参入し、17LIVEにおいてOfficial Business Partner(GOLD)の認定を受けるとともに、月間総合ランキング1位のライバーを複数輩出してきた。同社サイトでも「ライブ配信事業のライバーマネジメントを10年間行ってきた」「6大会を唯一全制覇したトップの会社」と、17LIVEでの実績を明確に打ち出している。
もっとも、現在の同社は17LIVE単体に依存した体制ではない。2023年春からはTikTok LIVEへ本格参入し、日本でわずか2社のみが獲得しているエージェンシーSランクを最速で取得するまでに成長したという。そのうえで、現在の新規ライバー募集はTikTok LIVEのみに絞られている。17LIVEでの実績を土台にしながら、主戦場をTikTok LIVEへ移しているというのが、2026年時点の正確な立ち位置である。冒頭で触れた「17LIVE専門」という表現がいまも一部で流通しているのは、この事業の重心移動が反映されていない古い情報が残っているためだろう。
世界各地でのミーティングと海外拠点

同社が運営する「World Meeting」は、所属するスタッフやタレント、モデル、エージェントが海外の宿泊施設や旅先で共同生活をしながらミーティングを行う取り組みで、2025年から2026年にかけて韓国・済州島、シンガポール、ベトナム・フーコック島やホーチミン、モルディブ、UAE・ドバイ、大阪・万博会場など、開催地は多岐にわたる。現地では関係者同士の交流に加え、プロデューサー会議やセミナーの開催も行われているとされ、単発の慰安旅行というより、業務の一環として価値観を揃えるための社内文化として定着している様子がうかがえる。宿泊先や旅先を選ぶ発想自体が、後述する海外拠点の展開と地続きになっている点も見逃せない。
この国際色は拠点展開にも表れている。インドネシア・バリには2025年2月に、ベトナム・ホーチミンには2026年4月に拠点を設け、マレーシアにも拠点を構える。国内の広告代理・マネジメント業から出発した会社が、東南アジアを中心に複数の海外拠点を持つに至った経緯は、ライブ配信市場が国境を越えて広がっている実態とも重なる。
能登半島地震への復興支援
事業実績だけでなく、社会的な取り組みとして触れておきたいのが、2024年3月に実施した能登半島地震の復興支援である。同社はFintertech株式会社が提供する寄付プラットフォーム「KASSAI」を活用し、寄付募集を行った。ライブ配信という同社の事業領域と親和性の高い仕組みを使い、災害支援に動いた事例として記録しておく価値がある。ライブ配信エージェンシーとしての基盤を、通常の事業活動以外の形でも活用した事例であり、海外展開やタレント事業とはまた別の側面から、同社の活動範囲の広さを裏づける材料と言える。
美容領域への展開「50% Fifty Card」
同社の事業は人材・エンタメ領域にとどまらない。「50% Fifty Card」は、美容費の負担を減らしたいという5人の女性の発案から生まれたサブスクリプション型アプリで、全国1,500店舗以上の美容関連店舗を、利用のたびに50%の割引価格で使えるという内容だ。利用者向けの会員登録と、店舗側の加盟店登録がそれぞれ用意されており、キレイを維持したいが費用がかさむことに悩む層をターゲットに据えている。タレントマネジメントやライブ配信とは異なる、消費者向けサブスクリプション事業を自社で立ち上げている点は、同社の事業ポートフォリオの幅を示す一例である。「タレント・ライバーを支える会社」という側面だけでなく、一般消費者を直接の利用者とするサービスも並行して手掛けていることは、社名にある「バンク」という言葉が単なる比喩ではなく、複数の事業を束ねる器として機能していることを示しているとも読める。
ライバーとしての関わり方
同社の複数事業のうち、外部から最も応募という形で接点を持ちやすいのが、TikTok LIVEを対象とするライバー事業である。募集内容は雑談を中心としたライブ配信で、特別なスキルや資格は求められず、在宅・スマートフォン1台・1日1時間からの配信を前提としている。応募後の流れは、2営業日以内にSMSで面談案内が届き、30分程度のオンライン面談を経て登録、初回配信へと進む形が案内されており、面談を受けたうえで応募を辞退することも可能とされている。
登録後は、実績のあるクリエイターを育ててきた担当マネージャーが1名つき、配信の始め方や話題の作り方、リスナーとの関わり方からファンの増やし方まで、配信の入口から継続までをサポートする体制がとられている。報酬はベースの時給に加え、視聴者から届くギフトに応じた歩合で構成される仕組みで、還元率などの詳細条件は個別の面談で説明される。同社の求人原稿によれば、月60時間以上配信した方の約78%が時給5,000円以上を達成しているというが、これはあくまで実績例であり、収入を保証するものではない。在籍ライバーの99%は20〜30代の女性で、大半が配信未経験からのスタートだという(2026年8月時点・同社調べ)。
在籍ライバーの声としては、2023年6月から活動するみなみさんが「最初は見てくれる人がいるのかな、と不安でしたが、マネージャーさんと相談しながら続けるうちに前向きに配信できるようになりました」と振り返っている。2024年9月から活動するえむちゃんさんも「機材や配信のやり方も分からない状態からスタートしましたが、マニュアルやサポートに支えられて無理なく続けられるようになりました」とコメントしており、2人に共通するのは、配信開始時点では自信や知識がなかったという点だ。不安や未経験を前提にした体制が敷かれていること、それを支える伴走役としてマネージャーが機能していることは、この事業がライバー個人の裁量だけに委ねられたものではないことを示している。

【本サイト基準における独自の見解】ハイブリッドバンクの特徴及び評価ポイント

オーソリティアワードでは、同社を「複数の人材関連事業を横断的に運営する会社」として評価している。モデル・タレントのマッチング(Talent Park)、アイドルプロデュース(Idol Bank)、ライブ配信エージェンシー(Liver)という、いずれも「個人の活動を後押しする」という共通項を持つ事業に加え、美容サブスクリプション(50% Fifty Card)という消費者向けサービスまで手掛けており、単一サービスの会社と比べて事業ポートフォリオに厚みがある点は評価に値する。とりわけライブ配信領域では、17LIVEでの複数年にわたる実績と、TikTok LIVEでの国内トップクラスの認定という、時期の異なる2つのプラットフォームで結果を出している点が特徴的だ。プラットフォームの盛衰に左右されにくい体制を、後追いではなく早い段階で構築してきたと言える。海外拠点についても、日本で人材を集めて終わりにせず、インドネシア・ベトナム・マレーシアに現地法人を構えて運営している点は、規模の大小とは別の指標として評価できる部分である。
一方で、会社の情報を調べる立場から見ると、注意しておきたい点もある。1つは、前述のとおり事業の中心が17LIVEからTikTok LIVEへ移っている事実が、検索結果に十分反映されていないことだ。ライバー募集への応募を検討している人が「17LIVE専門」という古い情報を前提に問い合わせると、実際の案内と食い違いが生じかねない。もう1つは、複数事業を横断しているがゆえに、「ハイブリッドバンクとはどんな会社か」という問いに対する答えが、聞く相手や参照する情報によってタレント事務所寄りになったり、ライブ配信エージェンシー寄りになったりとぶれやすいことである。この記事で触れた5つの事業――World Meeting、50% Fifty Card、Talent Park、Liver、Idol Bank――のうち、どの事業について知りたいのかを最初に意識したうえで調べたほうが、実態に近い情報にたどり着きやすい。
ライバーとしての参加を検討する層に向けては、在宅・スマホ1台・担当マネージャー制という体制が、配信未経験者にとって心理的なハードルを下げる設計になっている一方、報酬はギフトに応じた歩合を含む構成であるため、配信を継続して初めて成果が積み上がっていく性質のものだという点は理解しておく必要がある。今すぐの高収入を保証する仕組みではなく、マネジメント体制のもとで配信者としての活動を育てていく事業である、という前提で検討するのが実態に近い。応募後の面談を受けたうえで辞退できる仕組みが用意されている点は、いきなり契約を迫られる不安を持つ層にとって、情報収集段階でのハードルを下げる要素と言えるだろう。
反対に、この体制が向いていないと考えられるのは、マネージャーの伴走やマニュアルに頼らず自己流で配信スタイルを確立したい人、あるいは短期間で最大効率の収益化だけを求める人である。報酬がギフトに応じた歩合を含む以上、配信を継続しリスナーとの関係を積み重ねる過程を前提とした事業であり、即効性のある副業を探している場合はミスマッチが生じやすい。また、在籍ライバーの99%が20〜30代女性という構成である以上、年齢層や属性が大きく異なる応募者にとっては、周囲の雰囲気や配信内容の傾向が自分に合うかどうかを、面談の段階で見極める必要があるだろう。
最後に、ハイブリッドバンクについて検索して調べる際に押さえておきたい一点を挙げておく。それは、同社に関する情報が「タレント事務所」「ライブ配信エージェンシー」「美容サブスク運営会社」「海外進出企業」という複数の顔を持って語られている、という前提そのものである。どれか1つの側面だけを切り取った記事に接した場合、それが2007年の設立から積み上げてきた事業の一部にすぎないことを念頭に置いたうえで、必要な情報を絞り込んでいくのが実態に近づく近道になる。

